20代で将来が不安なとき|仕事の不安を4つに分ける

キャリア

「このままで大丈夫だろうか」と思う瞬間があるのに、何が不安なのかと聞かれると、うまく言葉にできない。だから辞めるべきかどうかも決められないまま、時間だけが過ぎていく。20代の将来不安は、たいていこの「輪郭がない」状態で止まっています。

結論
20代の「将来が不安」は、その多くが職場の外側の話です。
国の調査で18〜29歳が挙げた不安の1位は「今後の収入や資産の見通し」74.3%。
一方で「勤務先での仕事や人間関係」は26.1%にとどまります。
分けないまま「転職すれば解決する」と考えると、打ち手を間違えます。

この記事では、国の調査の実数を使って20代の不安の中身を分解し、自分の不安がどれに当たるかを判定したうえで、分類ごとの次の一手までを整理します。調査で分からないことも最後に書きます。

辞めるかどうかを決める前に読んでください
この記事でわかること

  • 18〜29歳の不安は、全体と何が入れ替わるのか(国の調査の実数)
  • 「将来が不安」を4つに分ける判定表
  • 分類ごとの、今日からできる次の一手
  • この調査で分からないこと

まず結論|分けないと、打ち手が決まらない

「将来が不安」は、ひとつの感情ではありません。中身の違うものが、同じ一語にまとめられているだけです。だから対処法もひとつに決まりません。

お金の見通しが不安な人に「やりがいのある会社を探そう」と言っても刺さりません。逆に、職場の人間関係が限界の人に「貯金を増やそう」と言っても解決しません。先にやるのは決断ではなく、分類です。

国の調査で見る、18〜29歳の不安の中身

結論から言うと、20代の不安の順位は、世間全体の順位とはっきり違います。内閣府の調査で、日頃の生活で悩みや不安を感じていると答えた人に、その内容を聞いた結果です。

不安の内容 全体 18〜29歳
今後の収入や資産の見通しについて 60.5% 74.3%(1位)
進学・就職・結婚・子育てなど、自分の生活上の問題 21.5% 64.6%(2位)
現在の収入や資産について 47.9% 61.1%(3位)
老後の生活設計について 63.9%(1位) 39.8%
自分の健康について 62.7% 33.2%
家族の健康について 51.2% 26.1%
勤務先での仕事や人間関係について 16.5% 26.1%
家族・親族間の人間関係について 16.3% 12.8%

出典:内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査)」集計表13(問7)悩みや不安の内容。複数回答。調査時期は令和7年8月7日〜9月14日、全国18歳以上の日本国籍を有する者5,000人を層化2段無作為抽出した郵送調査で、有効回収数2,938人。表の対象は悩みや不安を「感じている」「どちらかといえば感じている」と答えた2,295人(うち18〜29歳は226人)。

20代で入れ替わるのは、この3つ

結論、20代の不安は「老後」から「収入とライフイベント」へ、まるごと移動しています。表の中で特に差が大きいのは次の3つです。

  • 自分の生活上の問題(進学・就職・結婚・子育てなど)は、全体21.5%に対して18〜29歳は64.6%。約3倍
  • 今後の収入や資産の見通しは、全体60.5%に対して74.3%で最多
  • 逆に老後の生活設計は、全体63.9%に対して39.8%まで下がる
ここが大事
職場そのものへの不安は、20代でも26.1%。
つまり「将来が不安」と言っている人の4人に3人は、職場以外のことを不安に思っていることになります。
それでも会社を辞めるかどうかで悩むのは、不安の置き場所が会社しか見つからないからです。

今の仕事のつらさそのものを整理したい場合は、量・人・内容・将来の4つに切り分ける記事を用意しています。

自分の不安がどれかを判定する

結論、次の質問に答えるだけで、4つのどれかに寄ります。複数に当てはまっても構いません。数が多いほど、順番に片づける必要があるというだけです。

思い当たる文 分類 向かう先
この給料が10年続いたら、どうなるのか想像がつかない ①お金の見通し 数字を出す
結婚や引っ越しの話が出たとき、今の自分では踏み出せない気がする ②これから起きること 時期を置く
日曜の夜になると、明日の職場のことで胃が重くなる ③職場そのもの 判定する
何が不安なのかは分からないが、ずっと落ち着かない ④輪郭がない 書き出す

①お金の見通しが不安なとき

結論、この不安は「調べれば減る」タイプです。感情ではなく計算で片づく部分が大きいからです。20代で最も多い不安でありながら、実は最も手を動かしやすい種類でもあります。

やることは3つです。

  • 今の手取りと、固定費を書き出す。不安の大きさは、たいてい把握していない金額の分だけ膨らみます
  • 自社の賃金の上がり方を確認する。先輩の役職と年次をたどれば、5年後の自分の給与が社内に実在する誰かの形で見えます
  • 今の会社の外での相場を1回だけ調べる。求人票の給与欄を10件見るだけでも、比較の基準ができます
辞めたあとのお金が不安な場合
辞める前提でなくても、使える制度を知っているかどうかで不安の量は変わります。
仕事を辞めたあとの生活費はどうする?失業保険が出ない人が使える制度

収入の見通しを、転職ではなく自分の側で増やす方法を知りたい場合は、次の2本が近い話です。

収入の見通しを変える

②これから起きることが不安なとき

結論、この不安は「まだ起きていないこと」なので、今すぐ解けません。解こうとすると、かえって身動きが取れなくなります。18〜29歳の64.6%が挙げていた、進学・就職・結婚・子育てといった生活上の問題がこれに当たります。

やるべきなのは解決ではなく、「いつ考えるか」を決めて、それまで考えないと決めることです。

やり方
「結婚したら住む場所はどうするのか」のような問いに、今日答えを出さない。
代わりに「その話が現実に出てきたら、そのとき考える」と紙に書いて閉じます。
先送りではなく、考える時期を指定するという処理です。

ただし、ひとつだけ今できることがあります。選択肢を1つでも増やしておくことです。将来のライフイベントが怖いのは、そのとき自分に選べる道が無いように見えるからで、道の数が増えると不安の質は変わります。

キャリア全体を整理したい人へ
20代が取れる就活・転職・副業の3つの道を整理し、自分がどれから始めるべきかを判断するための記事です。
20代のキャリアに迷ったら|就活・転職・副業「3つの選択肢」と自分に合う進め方

③職場そのものが不安なとき

結論、ここだけは「今の会社を続けるか」の判断に直結します。4つのうち、転職が実際に効く可能性が高いのはこの分類です。割合としては26.1%と少数ですが、少数だから軽いという話ではありません。

判断のときに分けたいのは、異動すれば直るものかどうかです。今の上司・今の部署・今の繁忙期の問題なら、転職しなくても変わる可能性があります。評価制度や給与水準、働き方の前提そのものが原因なら、社内では変わりません。

職場の判定に使う記事

続けるべきか辞めるべきかを見極めたい
「仕事が合わない」の見極め方|続けるべきか辞めるべきかの判断基準

今の会社が「普通」かどうかを数字で確かめたい
次で失敗しない会社の選び方|求人票と国の認定制度で見抜く

次に行くなら何を基準に選ぶかを決めたい
転職の軸の決め方|譲れる条件の整理法

④輪郭がないときは、順番を逆にする

結論、何が不安か分からないときは、考えるのをやめて書き出してください。頭の中だけで扱っている限り、不安は分類できません。

紙かメモに、思いついた順で構わないので不安を全部並べます。そのうえで、上の判定表の①②③のどれに入るかだけを振り分けます。振り分けられないものが残っても構いません。数が見えるだけで、扱いは変わります。

やりたいことが決まっていないまま動くべきかどうかで止まっている場合は、避けたい条件から埋めていく考え方があります。

一人で分けきれないとき

やりたいことが分からないまま動いていいのか知りたい
やりたいことがわからないまま転職していい?

誰かと話しながら整理したい
キャリア相談は無料と有料、何が違う?

この調査で分からないこと

結論、この数字は傾向を見るためのもので、個人の判断をそのまま決めるものではありません。使う前に、次の3点は知っておいてください。

  • 18〜29歳の回答者は226人。全体2,295人に比べて母数が小さく、数ポイントの差は誤差の範囲として読むべきです
  • この調査は働いている人に限定していません。学生や求職中の人も含まれており、会社員だけを取り出した数字ではありません
  • 「今後の収入や資産の見通し」が何年先を指すかは、設問で定義されていません。回答者ごとに想定した期間は違います

それでも、20代の不安が老後ではなく収入とライフイベントに寄っているという傾向は、順位が入れ替わるほどの差として出ています。方向を確かめる材料としては十分に使えます。

よくある質問

Q
分けてみたら、全部に当てはまりました。どうすればいいですか。
A
全部に当てはまるのは珍しくありません。順番としては③の職場から手をつけてください。職場の状態は日々の消耗に直結していて、ここが重いと他の2つを考える体力が残らないためです。①のお金は調べれば減る部分が大きく、②は今すぐ解けないので、優先度としては後ろで構いません。
Q
お金の不安を消すために転職するのは、間違いですか。
A
間違いではありません。ただ、転職で給与が上がるかどうかは応募先と自分の経験によるため、確実ではない手段です。先に今の手取りと固定費、社内の賃金の上がり方を確認してください。それをやったうえで「この会社にいる限り上がらない」と分かったなら、転職は妥当な手段になります。順番の問題です。
Q
将来が不安なのに、何もしていない自分が情けないです。
A
動けないのは、何をすればいいかが決まっていないからです。不安の中身が分かれていない状態では、次の一手が定義できないため、動きようがありません。この記事の判定表で1つでも分類できたなら、その時点で作業は進んでいます。気持ちの問題として扱わないでください。
Q
まわりは不安そうに見えません。自分だけおかしいのでしょうか。
A
同じ調査で、日頃の生活の中で悩みや不安を感じているとした人は全体の78.1%です。感じていないとした人は16.2%にとどまります。見えていないだけで、多数派は不安を抱えている側です。
Q
職場のことで気持ちが限界です。分類している場合ではありません。
A
その場合は分類より先に、休むことと相談することを優先してください。厚生労働省の「こころの耳」では、電話(0120-565-455)のほかメールや会話形式での相談を無料で受け付けています。眠れない、食べられないといった状態が続いているなら、判断そのものを先送りして構いません。

まとめ

この記事のまとめ

  • 「将来が不安」は1つの感情ではない。分けないと打ち手が決まらない
  • 18〜29歳の不安の1位は「今後の収入や資産の見通し」74.3%
  • 進学・就職・結婚・子育てなど自分の生活上の問題は64.6%で、全体の約3倍
  • 逆に老後の生活設計は39.8%まで下がる
  • 勤務先での仕事や人間関係は26.1%。不安の大半は職場の外側にある
  • お金は調べれば減る、ライフイベントは考える時期を決めて閉じる、職場は異動で直るかで判定する
  • 輪郭がないときは、考えるのをやめて書き出してから振り分ける

不安が消えるまで待つ必要はありません。まず、頭の中にあるものを紙に出して、①②③のどれかに振り分けてください。それだけで、辞めるかどうかという一つの問いに全部を背負わせなくて済むようになります。

※ 本記事で引用した数値は内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査)」によるものです。調査は18歳以上の一般を対象としており、就業者に限定した統計ではありません。制度や調査結果は更新されることがあるため、最新の情報は内閣府の公表資料をご確認ください。

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