20代が製造業へ移る選択肢|事務職と6倍以上ちがう求人倍率

転職

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辞めることは決まった。次に何をするかが決まらない。求人サイトを開いても、どれも同じような文字が並んでいて、選ぶ手がかりがない。

先に書いておきます
この記事に「製造業にしなさい」は書きません。書くのは国の統計に出ている数字と、その数字が何を意味しないかです。
数字が向いていることと、あなたに向いていることは別です。

それでも数字から始めるのは、職種を決めるときに使える材料がほとんどないからです。求人票の書き方は各社ばらばらで、比べようがない。国の統計だけが、全職種を同じものさしで並べています。

次に何の仕事をするか決まらない人へ
この記事に書いてあること

  • 職種ごとの求人の多さと、その6倍以上の開き
  • 事務が下がり、生産工程が上がっているという直近の動き
  • 製造業が向かない人の条件
  • 求人倍率が答えてくれないこと
  • 業界特化のエージェントという選択肢

職種によって、求人の数は6倍以上ちがう

有効求人倍率という数字があります。ハローワークに来ている求人の数を、仕事を探している人の数で割ったものです。1倍なら、1人に1件。それより低ければ、席より人のほうが多いことになります。

厚生労働省が毎月出しています。パートタイムを除いた常用の数字で、直近の令和8年7月ぶんを並べます。

職業 有効求人倍率
事務用機器操作員 0.23倍
一般事務従事者 0.28倍
事務従事者(全体) 0.37倍
機械組立従事者 0.97倍
職業計 1.16倍
情報処理・通信技術者 1.50倍
機械検査従事者 1.69倍
生産工程従事者 1.75倍
営業職業従事者 2.20倍
介護サービス職業従事者 3.47倍
機械整備・修理従事者 4.34倍
建設躯体工事従事者 8.62倍
厚生労働省「一般職業紹介状況」職業別・パートタイムを除く常用/令和8年7月

一般事務が0.28倍で、生産工程が1.75倍。同じ求職者でも、選ぶ職種で席の数が6倍以上ちがいます。

「求人が見つからない」と感じているとき、それは自分の経歴の話ではなく、見ている職種の話かもしれません。ここは分けて考えたほうがいいところです。

この数字の限界
これはハローワークに出ている求人だけの数字です。転職エージェントや求人サイトが持っている求人は入っていません。
求人市場の全体像ではなく、職種どうしを比べるための、ひとつのものさしとして見てください。

事務は下がり、生産工程は上がっている

もうひとつ、動きの向きも見ておきます。令和7年度の平均と、直近の令和8年7月を並べたものです。

職業 令和7年度 令和8年7月
一般事務従事者 0.32倍 0.28倍
事務従事者(全体) 0.41倍 0.37倍
職業計 1.19倍 1.16倍
生産工程従事者 1.66倍 1.75倍
機械組立従事者 0.78倍 0.97倍
機械検査従事者 1.33倍 1.69倍
生産設備制御・監視従事者(金属製品を除く) 2.01倍 2.25倍
同上。令和7年度は年度平均

職業計が1.19から1.16へ下がっているなかで、生産工程まわりだけが上がっています。機械検査は1.33から1.69。事務は逆に、全体が落ちるより速く落ちています。

ただし、これは1年ぶんの動きです。何年も続く流れなのかどうかは、この数字だけでは分かりません。来年また下がっている可能性もあります。「いま募集が多い」以上のことは言えないので、そこは差し引いて読んでください。

辞めやすい産業の上位に、製造業は出てこない

求人が多いだけなら、人がどんどん抜けているせいかもしれません。そこで離職率のほうも見ます。

厚生労働省が令和7年10月に公表した調査では、令和4年3月に大学を出て就職した人の、3年以内の離職率は33.8%でした。3人に1人が3年で辞めています。

この調査は、離職率の高い産業を上位5つまで公表しています。

産業 3年以内離職率(大学卒)
宿泊業,飲食サービス業 55.4%
生活関連サービス業,娯楽業 54.7%
教育,学習支援業 44.2%
医療,福祉 40.8%
小売業 40.4%
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」令和7年10月24日公表

製造業はここに入っていません。ただし、入っていないという以上のことは書けません。公表されているのが上位5つだけで、製造業が何%なのかはこの資料からは読み取れないからです。「上位より低い」とだけ言えます。

同じ調査で、規模による差も出ています。こちらのほうが幅は大きい。

事業所の規模 3年以内離職率(大学卒)
5人未満 57.5%
5〜29人 52.0%
30〜99人 41.9%
100〜499人 33.9%
500〜999人 31.5%
1,000人以上 27.0%
同上

5人未満と1,000人以上で、30.5ポイント。業種を選ぶより、規模を見るほうが効くという読み方もできます。職種と規模、どちらも見たほうがいいということです。

それでも、向かない人はいます

ここまで数字を並べましたが、製造業には向き不向きがはっきり出る条件がいくつかあります。求人票を見る前に、自分に当てはまるかを確かめてください。

  • 交代勤務がある職場が少なくありません。生活のリズムを固定したい人には合いません
  • 勤務地が選びにくい。工場は都市部から離れた場所にあることが多く、引っ越しが前提になる求人があります
  • 配属で仕事が決まることがある。ラインごとに作業が違うため、入ってみるまで内容が読めない場合があります
  • 立ち仕事・現場作業が中心の職種もある。身体の使い方が今までと変わります
  • 「製造業」でひとくくりにできない。同じ製造業でも、製造技術者(開発を除く)は0.88倍で、席は多くありません

最後のところが分かりにくいので補足します。生産工程が1.75倍、機械整備・修理が4.34倍と高い一方で、0.88倍の職種も同じ製造業のなかにあります。「製造業なら入りやすい」という読み方は、正確ではないです。

職種選びの考え方をもう少し広く見たい人へ
20代が未経験から転職しやすい職種と、選ぶ前に見るべきこと
製造業に限らず、「入りやすい職種」がなぜ入りやすいのかを分解した記事です。求人が多い理由が人手不足なのか離職なのかを見分ける話は、そちらに書いてあります。

求人倍率が答えてくれないこと

有効求人倍率は、求人の数を求職者の数で割っただけの数字です。そこには「未経験でも採るかどうか」が入っていません。倍率が高くても、実務経験を求める求人ばかりということはあり得ます。

つまり、この記事の数字は「その職種にどれくらい席があるか」までしか教えてくれない。自分が座れるかどうかは、求人票を1件ずつ見るしかありません。

見るところは決まっています。応募資格に「未経験可」と書いてあるか、経験年数の指定があるか、研修の期間がどう書かれているか。そして給与の書き方です。

求人票のどこを見ればいいか分からない人へ
次で失敗しない会社の選び方|求人票と国の認定制度で見抜く
求人票の読み方と、国が出している認定制度の使い方をまとめた記事です。この記事で職種を絞ったあと、個別の会社を見る段階で使ってください。

業界特化のエージェントという選択肢

職種を絞ったあと、どこで求人を探すかという話になります。大手の総合エージェントは求人の数が多いかわりに、担当者がその業界に詳しいとは限りません。製造業のように、職種の呼び方が細かく分かれている分野では、そこが効いてきます。

業界を絞ったエージェントは、その逆です。扱う求人は狭くなりますが、現場の仕事の中身を知っている担当者に当たる確率は上がります。両方に登録して比べるという使い方もできます。

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メーカー・製造業に絞った転職エージェントです。総合型のように幅広く紹介するのではなく、業界を限定したうえで、その分野を担当してきたコンサルタントが相談を受ける形をとっています。

製造業は職種の呼び方が細かく、求人票の言葉だけでは実際の仕事が読み取りにくい分野です。「この求人は現場で何をするのか」を聞ける相手がいるかどうかで、絞り込みの速さが変わります。

相談は無料です。ただし未経験からの相談を受け付けているかどうかは、こちらでは確認できていません。気になる場合は、面談の申し込み時にその点をそのまま聞いてください。

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面談は日程を決めて行う形です。学生は対象外です。話してみて合わないと感じたら、断って構いません。

使わないという選択もあります。求人サイトだけで決める人もいますし、そのほうが自分のペースで進みます。どこで探すかより、何を条件にするかを先に決めるほうが大事です。

条件の決め方から迷っている人へ
転職の軸の決め方|「譲れる条件」と「譲れない条件」の整理法
職種より前の段階、つまり何を優先するかを決める記事です。職種を絞っても決まらないときは、条件のほうが定まっていないことがあります。

よくある質問

Q
未経験でも製造業に入れますか。
A
この記事の数字からは分かりません。有効求人倍率は求人の数を求職者の数で割ったものなので、応募資格の中身は入っていないからです。求人票の応募資格欄を1件ずつ確認するか、エージェントの担当者に直接聞いてください。
Q
求人倍率が高い職種は、人が足りないきつい仕事ということですか。
A
その可能性はあります。倍率が高い理由は、事業が伸びている場合と、人が辞め続けている場合の両方があり、数字だけでは区別できません。だからこの記事では離職率も併せて見ています。個別の会社については、求人がいつから出ているか、同じ求人が繰り返し出ていないかを見ると手がかりになります。
Q
事務職は諦めたほうがいいですか。
A
諦める必要はありません。倍率が低いというのは、同じ席を狙う人が多いという意味です。時間がかかりやすい、他の職種より準備が要る、という前提で動くことになります。並行して別の職種も見ておくかどうかは、生活の余裕次第です。
Q
製造業の離職率は低いのですか。
A
低いとは書けません。厚生労働省の調査で公表されているのは離職率の高い上位5産業だけで、製造業はそこに含まれていません。分かるのは「上位5より低い」ということだけです。それより、事業所の規模による差のほうが数字としては大きく出ています。
Q
業界特化と大手、どちらのエージェントがいいですか。
A
目的が違うので、どちらが上とは言えません。行きたい業界が決まっていないなら大手のほうが候補は広がります。業界を絞ったあとで現場の話を聞きたいなら、特化型のほうが噛み合います。両方に登録して比べる人もいます。

まとめ

この記事に書いたこと

  • 一般事務0.28倍、生産工程1.75倍。職種で席の数は6倍以上ちがう
  • 直近1年で、事務は下がり生産工程は上がっている。ただし1年ぶんの動き
  • 大学卒の3年以内離職率は33.8%。離職率が高い上位5産業に製造業は入っていない
  • 事業所規模5人未満57.5%、1,000人以上27.0%。規模による差のほうが大きい
  • 交代勤務・勤務地・配属は、先に確かめておく条件
  • 同じ製造業でも0.88倍の職種がある。ひとくくりにできない
  • 求人倍率は「未経験でも採るか」を教えてくれない

職種が決まらないとき、決まらない理由が自分の側にあるとは限りません。見ている職種に席が少ないだけ、ということもあります。数字は、それを切り分けるために使ってください。

そのうえで、向かない条件に当てはまるなら選ばなくていい。私はこの記事で、どれが正解かを決めません。

※ 有効求人倍率は厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」の職業別・パートタイムを除く常用(令和8年7月)。離職率は同省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」令和7年10月24日公表。数字は時点によって変わるため、最新の値は各公表資料で確認してください。

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