仕事を辞めたあとの生活費はどうする?失業保険が出ない人が使える制度

仕事を辞めたあとの生活費はどうする?失業保険が出ない人が使える制度 副業

「辞めたあと、生活費はどうなるんだろう」
「失業保険があるから大丈夫だと思っていたけど、本当に出るの?」

退職を考えるときに、いちばん現実的で、いちばん調べにくいのがお金の話です。そしてここを甘く見積もった人ほど、焦って条件を妥協した転職をします。

結論 まず知ってほしいのは2つです。
①在籍期間が短いと、失業保険は受給資格を満たさないことが多い。あてにしないこと。
②ただし、失業保険が出なくても使える公的制度が別にあります。月10万円の給付金や、家賃を自治体が直接払う制度です。

この記事では、辞めたあとに毎月いくら出ていくのか、失業保険の実際、そして失業保険が出ない人が使える3つの制度をまとめます。

お金の話です
この記事でわかること
  • 辞めたあと、毎月いくら出ていくのか(見落としがちな出費)
  • 失業保険はいつから出るのか。そもそも出るのか
  • 失業保険が出なくても使える公的制度3つ
  • 退職後14日以内にやる手続き
  • いくら貯めてから辞めるべきか

辞めたあと、毎月いくら出ていくのか

「家賃と食費くらい」と考えていると、確実に足りなくなります。会社員のときは給料から天引きされていたものを、自分で払うことになるからです。

費目会社員のとき退職後
家賃・食費・通信費自分で払う変わらず自分で払う
健康保険料給料から天引き(会社が半分負担)国民健康保険として全額自分で
年金保険料給料から天引き(会社が半分負担)国民年金として全額自分で
住民税給料から天引き納付書が届き、自分で払う
会社が半分払ってくれていた保険料が、全額自己負担になる
住民税がいちばんの罠 住民税は前年の所得に対してかかります。つまり退職して収入がゼロになっても、前年に働いていた分の請求が来ます。
新卒2年目で辞めた場合、1年目の所得に対する住民税を、無収入の状態で払うことになります。ここを計算に入れていない人が非常に多いです。

まずは、自分の場合いくらになるのかを出してください。国民健康保険料と住民税の金額は、市区町村の窓口で試算してもらえます。退職前でも相談できます。

失業保険は、そもそも出ないことがある

ここが最も誤解されているところです。

在籍が短いと、受給資格を満たさない

自己都合で退職した場合、失業保険(基本手当)を受け取るには、原則として離職前2年間に被保険者期間が12か月以上必要です。

つまり新卒で入って数ヶ月で辞めた場合、そもそも受給資格を満たさないことが多いということです。「失業保険があるから半年は大丈夫」という前提で辞めると、計算が根本から狂います。

受給できるかどうかは、離職票を持ってハローワークで確認できます。辞める前でも一般的な相談は可能です。

受給できる場合も、すぐには振り込まれない

退職日待期給付制限
2025年4月1日以降7日原則1か月
2025年3月31日以前7日原則2か月
5年内に2回以上の自己都合退職7日3か月
出典:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」をもとに作成

給付制限は2025年4月から短縮されました。2025年4月1日以降の退職なら原則1か月です。ネット上には「振り込まれるまで約4か月」と書かれた古い記事が残っていますが、これは給付制限が2か月だった時代の情報です。

とはいえ、手続きや認定日を挟むため、退職日から実際の入金までは数か月かかると見ておいてください。

失業保険が出なくても使える制度3つ

ここからが本題です。失業保険が出なくても、使える公的制度があります。あまり知られていませんが、条件に当てはまれば非常に強力です。

①求職者支援制度|月10万円+無料の職業訓練

これが最大の選択肢です。

厚生労働省の求職者支援制度は、雇用保険を受給できない求職者などを対象に、無料の職業訓練を受けながら、月10万円の職業訓練受講給付金を受給できる制度です。

求職者支援制度のポイント
  • 対象:原則として雇用保険を受給できない方(=失業保険が出ない人)
  • 給付:職業訓練受講手当として月10万円(ほかに通所手当・寄宿手当)
  • 訓練:厚生労働大臣の認定を受けた職業訓練を無料で受講
  • 注意:給付金の受給には収入・資産などの支給要件があります

出典:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」

短期離職で失業保険が出ない人にとって、これは知っているかどうかで数十万円変わる情報です。相談先はハローワークです。

ただし、給付金には収入や資産などの要件があります。訓練だけを無料で受けることも可能な場合があるので、まずハローワークで自分が対象かを確認してください。

②住居確保給付金|家賃を自治体が直接払う

家賃の支払いが厳しくなったときの制度です。

住居確保給付金のポイント
  • 対象:離職・廃業から2年以内など、一定の要件を満たす方
  • 支給:家賃相当額(自治体ごとの上限あり)。原則3か月、延長で最長9か月
  • 支払い方法:自治体から大家や不動産会社へ直接支払われる
  • 条件:収入・預貯金の要件があり、ハローワーク等に求職申込をして求職活動を行うこと

出典:厚生労働省「住居確保給付金」

相談先は、お住まいの自治体の自立相談支援機関(生活困窮者自立支援の窓口)です。市区町村の窓口で案内してもらえます。

③国民年金保険料の免除・納付猶予

退職して支払いが難しい場合、国民年金保険料の免除・納付猶予を申請できます。

失業を理由に申請する場合は、雇用保険受給資格者証や離職票の写しなど、失業の事実を証明する書類を添えて申請します。窓口は市区町村の国民年金担当か、年金事務所です(郵送・電子申請も可)。

未納にせず、必ず申請を 払えないからとそのまま放置(未納)にするのが最悪の選択です。免除・猶予の手続きをしておけば、将来受け取る年金の計算上の扱いが変わりますし、後から追納することもできます。
国民健康保険料についても、自治体によって減免制度がある場合があります。加入手続きの際に窓口で相談してください。

退職後14日以内にやる手続き

制度を使うにも、まず手続きが要ります。放置すると後でまとめて請求が来ます。

手続き期限場所
国民年金への種別変更退職日の翌日から14日以内市区町村の国民年金窓口
国民健康保険への加入同上(同じ窓口で一緒にできる)市区町村の窓口
失業保険の受給手続き離職票が届いたら早めにハローワーク
年金保険料の免除・猶予申請加入手続きと同時でよい同上/年金事務所
出典:日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」

市区町村の窓口では、国民年金・国民健康保険・住民税・住居確保給付金の相談が一度にできます。離職票と本人確認書類を持って、一度足を運んでください。

収入をどう作るか

制度を使いつつ、自分でも収入を作れると精神的にかなり楽になります。ただし就活の時間を潰さない形にすることが前提です。

手段就活との両立注意点
短期・単発のアルバイト◎ シフトを調整しやすい入れすぎると就活が止まる
週3程度のアルバイト○ 面接の日程を空けられる範囲で「就活と並行していた」と説明できる
在宅の副業○ 時間の融通がきくすぐには稼げない。過度な期待をしない
フルタイムのアルバイト× 就活の時間がなくなる空白期間が伸びる原因になる
目的は「生活を回しながら、就活を止めないこと」

アルバイトをすること自体は、就職で不利になりません。むしろ面接で「就活と並行して働いていました」と言えるほうが、何もしていない空白より説明しやすくなります。

ただし、失業保険を受給中のアルバイトは申告が必要で、日数や収入によって給付に影響します。受給中の方は、必ず事前にハローワークで確認してください。

いくら貯めてから辞めるべきか

計算のしかた

①毎月の支出=家賃+生活費+国民健康保険料+国民年金保険料+住民税

②必要額=①×6か月分

目安は6か月分です。就活に3か月、入金までの空白に数か月かかるためです。

6か月分が用意できないなら、在職中に転職活動をするほうが安全です。収入が途切れなければ、この計算そのものが不要になります。

ただし例外があります 心身に症状が出ている場合は、この計算より健康が優先です。
お金は後から取り戻せますが、壊れた体と心の回復には、それよりずっと長い時間がかかります。その場合は、上で紹介した公的制度を使って生活を支える方向で考えてください。

退職後の生活費についてよくある質問

Q
3ヶ月で辞めました。失業保険はもらえますか?
A
自己都合退職の場合、原則として離職前2年間に被保険者期間が12か月以上必要なため、受給資格を満たさない可能性が高いです。ただし個々の状況で異なるので、離職票を持ってハローワークで確認してください。出ない場合は、求職者支援制度が選択肢になります。
Q
求職者支援制度は、誰でも月10万円もらえますか?
A
いいえ。職業訓練受講給付金には、本人収入・世帯収入・資産などの支給要件があります。要件を満たさない場合でも、訓練自体は受講できることがあります。まずハローワークで、自分が対象になるかを確認してください。
Q
住民税の請求が思ったより高くて払えません。
A
放置せず、市区町村の窓口に相談してください。分割納付などの相談に応じてもらえる場合があります。督促を放置すると延滞金がつくため、早めに相談するほうが結果的に負担が軽くなります。
Q
実家に戻れば、生活費は考えなくていいですか?
A
家賃の負担は大きく減りますが、国民健康保険料・国民年金保険料・住民税は変わらずかかります。また、住居確保給付金など一部の制度は家賃を対象とするため、条件が変わります。実家に戻る場合も、手続きは同じように必要です。
Q
お金がなくて、もう詰んでいる気がします。
A
まず市区町村の自立相談支援窓口に相談してください。住居確保給付金のほか、生活費の貸付制度など、状況に応じた支援があります。相談は無料です。一人で抱えて手遅れになる前に、窓口を使ってください。

まとめ|制度を知っているかどうかで変わる

この記事のまとめ
  • 退職後は国保・年金・住民税が自己負担になる。特に住民税は前年の所得にかかる
  • 短期離職だと失業保険の受給資格を満たさないことが多い。あてにしない
  • 受給できても、待期7日+給付制限(2025年4月以降は原則1か月)を経てから
  • 求職者支援制度=雇用保険が出ない人向け。無料の職業訓練+月10万円の給付金
  • 住居確保給付金=家賃相当額を原則3か月(最長9か月)自治体が直接支払い
  • 国民年金は免除・納付猶予を申請。未納で放置しない
  • 貯金の目安は生活費の6か月分。足りないなら在職中に活動する

お金の話は、知らないと一方的に損をします。失業保険が出ないと分かった時点で詰んだと思う人は多いですが、実際には別の制度が用意されています。

ハローワークと市区町村の窓口。この2か所に行くだけで、選択肢はかなり変わります。相談は無料です。

※ 本記事は2026年9月時点の制度にもとづく一般的な説明です。制度は改正されることがあり、支給の可否や金額は個々の状況により異なります。実際の手続きや要件は、必ずハローワーク・市区町村の窓口・年金事務所でご確認ください。

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