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卒業してから、アルバイトで食べてきた期間がある。応募しようとするたびに、履歴書のその空白が気になって手が止まる。「この期間があるから無理なんじゃないか」と、応募する前に自分で結論を出していないでしょうか。
見られているのは、期間の長さではなく「説明できるかどうか」です。
そして求人票に「35歳未満」と書ける理由は、法律上ひとつしかありません。
その理由に当たる求人は、職業経験を条件にできない決まりになっています。
つまり経験の少なさだけを理由に、その求人から外されることはありません。
この記事では、求人票の年齢制限が法律上どう決まっているのかを条文にさかのぼって整理し、そのうえでフリーター期間をどう説明すれば伝わるのかを、期間別に組み立てます。
- 求人票の「35歳未満」に法律上ひとつしかない理由
- その求人が職業経験を条件にできないという決まり
- 年齢制限の理由を、応募者が聞ける仕組み
- フリーター期間の説明を3つに分けて用意する方法
- この記事で扱っていないこと
まず結論|期間の長さより、説明の有無
採用側が困るのは、期間が長いことではなく、その期間について何も情報がないことです。空白のまま出されると、判断のしようがありません。判断できないものは、安全側に倒されます。
逆に言えば、短くても説明がなければ引っかかり、長くても説明があれば通ります。やることは期間を消すことではなく、期間に言葉をつけることです。
求人票の「35歳未満」には、理由がひとつしかない
結論、労働者の募集と採用は、原則として年齢不問です。年齢で線を引くことは、法律で禁じられています。
根拠は労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)で、例外は同法施行規則第1条の3第1項に列挙されたものだけです。
| 例外 | 中身 | 設定できる範囲 |
|---|---|---|
| 第1号 | 定年年齢を上限として、期間の定めのない労働契約で募集する場合 | 上限のみ |
| 第2号 | 労働基準法など法令で年齢制限が定められている場合 | 下限のみ |
| 第3号のイ | 長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集する場合 | 上限のみ |
| 第3号のロ | 技能・ノウハウの継承のため、労働者が少ない特定の年齢層に限定する場合 | 上限・下限 |
| 第3号のハ | 芸術・芸能の分野で表現の真実性が求められる場合 | 上限・下限 |
| 第3号のニ | 60歳以上の高年齢者などの雇用を促進する施策の対象に限定する場合 | — |
出典:厚生労働省・ハローワークインターネットサービス「年齢制限該当事由について」。根拠は労働施策総合推進法施行規則第1条の3第1項。
20代向けの求人で年齢の上限が書かれているなら、そのほとんどは第3号のイです。
第2号は資格や法令が絡む職種、第3号のロは中堅層、第3号のニは60歳以上が対象なので、若年者向けの求人で使える例外は事実上これしかありません。
第3号のイの求人は、職業経験を条件にできない
ここがこの記事でいちばん伝えたい点です。厚生労働省の質疑応答に、次のとおり書かれています。
「例外事由の第3号のイによる年齢制限をする場合には職業経験不問とする一方、第3号のロによる年齢制限をする場合には経験者を募集するといったように、同時に複数の例外事由により条件を変えて年齢制限を行うことは可能です」
出典:厚生労働省「労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A」
年齢の上限を第3号のイで設けるなら、その求人は職業経験を問えません。長期勤続でこれから育てる前提の枠だからです。
フリーター期間があって職務経験が薄いことは、この枠では条件から外れる理由になりません。「経験が足りないから応募できない」と自分で判断する必要はない、ということです。
あわせて知っておくと見分けがつくこと
- 第3号のイは「期間の定めのない労働契約」が要件。有期の契約を更新し続ける形は、これに当たりません(同質疑応答)。年齢の上限が書かれた若年者向け求人は、正社員の募集である可能性が高いと読めます
- 「年齢不問。ただし35歳未満の方歓迎」は不適当とされています。実質的に年齢で線を引いているのと同じだからです
- 「年齢不問。35歳未満は経験不問、35歳以上は経験者」も不適当です。年齢で条件が変わっているためです
年齢制限の理由は、聞けば教えてもらえる
結論、65歳未満の上限年齢が設けられている求人については、応募者が求めれば理由の提示を受けられます。
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律 第18条の2にもとづくもので、求人広告の紙面の都合で詳しく書けない場合は、求職者の求めに応じて遅滞なく書面等で理由を提示することが可能とされています(前掲の質疑応答)。
「この年齢の上限は、どの理由によるものですか」と聞いてよい。
第3号のイだと分かれば、経験を問われない枠だと確認できます。
聞きにくければ、求人を紹介してもらっている担当者から確認してもらう方法もあります。
なお、求人票そのものの読み方は別記事に整理しています。年齢制限以外にも、確認できることは思っているより多くあります。
フリーター期間の説明は、3つに分けて用意する
結論、ひとつの文で説明しようとするから詰まります。次の3つに分けて、それぞれ1〜2文ずつ用意してください。
| 分ける単位 | 用意すること | 例 |
|---|---|---|
| ①期間 | いつからいつまでか。ぼかさず年月で言い切る | 「卒業した年の4月から、翌年の9月までです」 |
| ②その期間に選んだこと | なぜその働き方だったのか。事実だけ | 「就職活動を続けながら、生活費を確保するために働いていました」 |
| ③続けたことと分かったこと | 期間中に途切れなかったもの | 「同じ店で1年半続けて、途中から新人の指導を任されました」 |
③がいちばん重要です。採用側が知りたいのは「入ってから続くかどうか」で、続けた実績はそのまま材料になります。期間が長いほど、この材料は増えているはずです。
やらないほうがいいこと
- 期間をぼかす。「しばらく」「なんとなく」は、確認できないので判断が止まります
- 反省だけで終える。「甘かったです」で止めると、次に何が変わったのかが伝わりません
- 盛る。入社後に食い違うと、いちばん困るのは自分です
履歴書と職務経歴書への具体的な書き方は、短期離職の記事に例文つきでまとめてあります。フリーター期間の書き方にもそのまま使えます。
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期間の長さ別に、考え方を変える
結論、期間によって用意するものが変わります。長いほど不利になるのではなく、長いほど③の材料を厚くする必要がある、という違いです。
| 期間 | 重心を置くところ |
|---|---|
| 半年以内 | ①と②で足りることが多い。就職活動を続けていた事実を出す |
| 半年〜1年 | ③を1つ用意する。同じ職場を続けたこと、任された範囲が広がったこと |
| 1〜2年 | ③を2つ用意する。加えて、なぜ今のタイミングで正社員に切り替えるのかを1文で |
| 2年以上 | ③を軸に組み立てる。期間を短く見せようとしない。継続してきたこと自体を前に出す |
なお、卒業後の年数によって応募できる枠が変わる話や、市場そのものの状況は別記事で扱っています。この記事と合わせて読むと、全体像がつかめます。
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説明を一人で組み立てられないとき
結論、①②③のうち③が出てこないときは、他人に聞いてもらったほうが早いです。自分の中では当たり前になっていることほど、材料として認識できません。
相談先には、求人紹介を前提とするものと、そうでないものがあります。書類や面接の言い回しまで一緒に作りたい場合は、就職支援のサービスを使う方法があります。
既卒・フリーター・中退・高卒からの就職を扱っているサービスです。担当者と話しながら、書類の作成と添削まで一緒に進める形をとっています。
アドバイザーは全員が20代での転職を経験した人で、初回の面談は最大2時間、丁寧に経歴を掘り下げるという説明になっています。会場に行かなくても、画面越しの面談で完結します。(※ここまでの数字と説明は広告主の自社表記です)
この記事の③にあたる材料を、話しながら見つけたい人に向いています。一人で書き出して手が止まったなら、他人の目を入れたほうが早く進みます。
相談は無料です。ただし面談は日程を決めて行う形なので、時間は確保してください。合わないと感じたら断って構いません。登録しただけでは何も始まらないので、使うなら面談の予約まで済ませてください。
求人紹介を前提にせず、先に考えを整理したい場合は別の選択肢もあります。どちらが良いという話ではなく、今の自分がどちらの段階にいるかで選んでください。
この記事で扱っていないこと
結論、法律の話は「応募できるかどうか」までで、採用されるかどうかは別です。混同しないでください。
- 年齢制限が禁じられているのは募集と採用の場面です。実際に誰を採るかの判断まで縛るものではありません
- 第3号のイに当たるかどうかは、求人ごとに違います。この記事の内容は一般的な整理で、個別の求人の判断ではありません
- 法令や運用は変わることがあります。最新の内容は厚生労働省の案内、または最寄りの労働局・ハローワークで確認してください
そのうえで、「経験がないから応募できない」という思い込みだけは、この記事で外せます。外したうえで、説明を用意して出す。順番はそれだけです。
よくある質問
まとめ
- 見られているのは期間の長さではなく、説明できるかどうか
- 募集と採用は原則として年齢不問(労働施策総合推進法)
- 若年者向け求人で年齢の上限を設けられる理由は、事実上施行規則第1条の3第1項の第3号のイだけ
- 第3号のイの求人は、職業経験を条件にできない(厚生労働省の質疑応答)
- 65歳未満の上限なら、求めれば理由の提示を受けられる(高年齢者雇用安定法第18条の2)
- 説明は①期間 ②選んだこと ③続けたことの3つに分けて用意する
- ③が出てこないときは、他人に聞いてもらったほうが早い
応募をやめる理由として「経験がないから」を使うのは、今日でやめて構いません。まず①②③を紙に書き出してください。書けた時点で、応募できる状態になっています。
※ 本記事は2026年9月時点の制度にもとづく一般的な整理です。個別の求人が例外事由のどれに当たるかは求人ごとに異なります。最新の内容は厚生労働省の案内、または最寄りの労働局・ハローワークでご確認ください。
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