「転職したのに、また辞めたくなってしまった」
これを誰にも言えずに抱えている人がいます。前の会社を辞めるときにあれだけ悩んで、周りにも心配をかけて、ようやく決めた転職だったのに。そう思うほど、口に出せなくなります。
同じ理由なら、会社選びの軸がずれていた可能性が高い。違う理由なら、今の環境そのものの問題です。
そして正直に書きます。2回目の短期離職は、1回目より説明が重くなります。だからこそ、いま冷静に見る価値があります。
この記事では、判断の順番と、2回目を繰り返さないために何を変えるかを整理します。
- 転職後にまた辞めたくなるのは、どれくらい起きることなのか
- 「前回と同じ理由か」の確認方法
- 2回目の短期離職が1回目より重くなる理由(正直な話)
- いま辞めるかどうかの判断基準
- 次で繰り返さないために、何を変えるか
転職後に「また辞めたい」と思うのは、珍しくない
まず、自分だけが失敗したわけではないという話から。
総務省の労働力調査(2025年平均・詳細集計)によると、転職したいと思っている人(転職等希望者)は1,023万人いる一方、実際に転職した人は330万人です。
| 人数 | |
|---|---|
| 転職したいと思っている人 | 1,023万人 |
| 実際に転職した人 | 330万人 |
この1,023万人のなかには、すでに一度転職した人も当然含まれています。転職は一度きりで終わるイベントではありません。
ただし、「みんなそうだから大丈夫」で終わらせないでください。ここから、あなたの場合はどうなのかを見ていきます。
前回と同じ理由か、違う理由か
最初にやるのはこれです。紙かメモに、前回辞めた理由と今回辞めたい理由を並べて書いてください。
| 同じ理由だった | 違う理由だった | |
|---|---|---|
| 意味 | 会社選びの軸がずれていた | 今の環境そのものの問題 |
| 例 | 前回も今回も「教えてもらえない」 | 前回は仕事内容、今回は人間関係 |
| 先にやること | 軸の作り直し。辞めても同じことが起きる | 社内で解決できるかを確認する |
| 転職の優先度 | 低い(先に整理が必要) | 状況による |
前回の退職理由を、次の会社選びの条件に翻訳できていなかったということです。ここを直さないまま動くと、同じことが繰り返されます。
厳しい書き方に聞こえるかもしれませんが、責めているわけではありません。この翻訳作業は、誰も教えてくれないから難しいだけです。
正直な話|2回目は1回目より重い
ここは事実として書いておきます。
| 1回目の短期離職 | 2回目の短期離職 | |
|---|---|---|
| 面接での見られ方 | 「合わなかったのだろう」 | 「パターンなのでは」 |
| 必要な説明 | 退職理由と次の意欲 | 「前回と何を変えたのか」まで |
| 失業保険 | 給付制限は原則1か月 | 5年内に2回以上の自己都合退職なら3か月 |
失業保険の点は具体的です。厚生労働省の説明によると、給付制限は2025年4月1日以降の退職なら原則1か月ですが、退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合は3か月になります。
だから辞めてはいけない、という話ではありません。知ったうえで判断してほしい、という話です。
いま辞めるかどうかの判断
入社からの期間で、判断できることが変わります。
| 入社からの期間 | いま判断できること | 推奨 |
|---|---|---|
| 〜3か月 | 環境・人間関係・労働時間 | 適性の判断はまだ早い。記録を取る |
| 3〜6か月 | 業務の流れ、自分の得意・不得意 | 社内で試せることを試す |
| 6か月〜 | 適性の判断ができる | 判断していい段階 |
- 眠れない・食べられない・朝起きられないなど心身に症状が出ている
- ハラスメントや違法な労働環境がある
- 求人票や労働条件通知書と、実際の業務が大きく違う
繰り返さないために|前回、何を確認しなかったか
ここが本題です。同じ理由で辞めたくなっているなら、前回の会社選びで確認しなかったことがあるはずです。
| 今回つらいこと | 入社前に確認できたか |
|---|---|
| 教えてもらえない | できた(研修の有無と内容) |
| 残業が多い | できた(所定外労働時間) |
| 人がすぐ辞める | できた(離職者数・平均勤続年数) |
| 仕事内容が違う | できた(入社後3か月の具体的な業務) |
| 特定の上司と合わない | 確認しづらい |
そして重要なのは、若者雇用促進法により、応募者から求めがあった場合、企業には職場情報を提供する義務があるということです。離職者数・研修の有無と内容・所定外労働時間・有給取得状況などを聞けます。
前回はこれを知らなかっただけです。次は使えます。
それでも辞めると決めたら
面接では、2回とも聞かれます。使うのはこの型です。
①1社目を辞めた理由(事実)
↓
②2社目を選ぶとき、確認が足りなかった点(自分の反省)
↓
③そこから何を変えたか(今回の応募でやっていること)
↓
④だから御社を選んだ
②があるかどうかで印象がまったく変わります。会社の話だけで終わらせないでください。
「運が悪かった」「どちらもひどい会社だった」で終わると、3社目でも同じことが起きると見られます。反省を1つ入れるだけで、話の重さが変わります。
そして、今回は在職中に転職活動をしてください。収入が途切れないぶん、焦って3社目を決めずに済みます。
転職後にまた辞めたくなったときのよくある質問
まとめ|変えるのは性格ではなく、選び方
- 転職したいと思っている人は1,023万人。転職は一度きりのイベントではない
- まず前回と同じ理由か、違う理由かを書き出して確認する
- 同じ理由なら、会社選びの軸がずれていた。辞めても繰り返す
- 2回目は説明が重くなる。失業保険の給付制限も3か月になる場合がある
- ただし心身に症状があるなら、回数より健康が優先
- 「教えてもらえない」「残業が多い」「人が辞める」は次は入社前に確認できる
- 説明の型は①1社目の理由 ②確認不足の反省 ③変えたこと ④だから御社
2回続くと、自分の性格や適性を疑いたくなります。でも、多くの場合に足りていなかったのは能力ではなく、会社を選ぶときに確認する方法を知らなかったことです。
変えられるのはそこです。まずは、前回と今回の理由を並べて書くところから始めてください。
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