「志望動機が、どうしても書けない」
第二新卒の転職で、多くの人が最後まで残る壁です。前の会社を辞めた理由は言えても、「なぜこの会社なのか」になると手が止まります。
志望動機は「退職理由」と「応募先の事実」をつなぐ線です。両端がないと線は引けません。
この記事では、志望動機を作る4つのステップと、応募先の情報を法的に請求する方法まで解説します。
- なぜ志望動機は「退職理由」とセットで見られるのか
- 志望動機を作る4ステップ
- 企業に情報提供を求められる法律上の仕組み
- そのまま使える例文3パターン
- やりがちなNG志望動機
志望動機は「退職理由」とセットで見られる
第二新卒の選考では、志望動機だけを単独で評価されることはありません。必ず退職理由と並べて読まれます。
理由は単純で、面接官が確認したいのは「うちでも同じ理由で辞めないか」だからです。
| つながっていない例 | つながっている例 | |
|---|---|---|
| 退職理由 | 仕事内容が合わなかった | 仕事内容が合わなかった |
| 志望動機 | 「御社の理念に共感しました」 | 「◯◯の業務に携われる点に惹かれました」 |
| 面接官の反応 | また同じことが起きそう | 今回は確認したうえで選んでいる |
つまり志望動機の役割は、「前回の失敗を、今回はどう避けたのか」を示すことです。ここが分かると、書き方が決まります。
志望動機を作る4ステップ
STEP1|退職理由を「次の条件」に翻訳する
不満をそのまま書いても志望動機にはなりません。次に求める条件に置き換えます。
| 退職理由(不満) | 次に求める条件 |
|---|---|
| 仕事内容が説明と違った | 担当業務が明確で、入社前に確認できること |
| 教えてもらえなかった | 研修や育成の体制があること |
| 残業が多すぎた | 所定外労働時間が一定以下であること |
| 身につくものがなかった | ◯◯のスキルが身につく業務があること |
この右側が、あなたの会社選びの軸です。志望動機は、この軸と応募先を結ぶ形で書きます。
STEP2|応募先を調べる(情報は請求できる)
ここが多くの人の抜けている部分です。調べていない会社の志望動機は、書けません。書けたとしても、どの会社にも当てはまる文章になります。
そして意外と知られていませんが、応募者は企業に対して、職場の実態に関する情報の提供を求めることができます。
若者雇用促進法により、応募者等から求めがあった場合、企業は「青少年雇用情報」について、3類型それぞれから1つ以上を提供することが義務づけられています。
提供される情報には、次のようなものが含まれます。
- 平均勤続年数、離職者数などの募集・採用に関する状況
- 研修の有無および内容など、職業能力の開発・向上に関する取組
- 所定外労働時間、有給休暇の取得状況など、職場への定着の促進に関する取組
出典:厚生労働省「青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)について」「職場情報の提供制度」
つまり、「研修はありますか」「残業時間はどれくらいですか」と聞くのは、わがままではなく制度上想定されている行為です。前職でミスマッチを経験した人ほど、遠慮なく確認してください。
そして、ここで得た事実がそのまま志望動機の材料になります。
STEP3|条件と会社を結ぶ
STEP1の条件と、STEP2で調べた事実を結びます。使うのはこの型です。
①前職の経験から、◯◯を重視するようになった(退職理由から導いた軸)
↓
②御社は△△である(調べて分かった事実)
↓
③だから応募した/入社後は□□に取り組みたい
②に調べないと書けない具体的な事実が入っているかが分かれ目です。ここが「理念に共感」だけだと、志望動機として機能しません。
STEP4|3文に圧縮する
長い志望動機は読まれません。面接で話すことを前提に、3〜4文にまとめてください。詳細は聞かれてから答えれば十分です。
例文|3パターン
前職では新規開拓の営業を担当しましたが、実際に働く中で、既存のお客様と長く関わりながら課題を解決していく仕事のほうに関心があると気づきました。
御社は既存顧客への提案が業務の中心で、担当のお客様を数年単位で持たれると伺っています。前職で身につけた電話・訪問での対応経験を活かしながら、腰を据えて関係を作る働き方に挑戦したいと考えています。
前職では配属直後から実務を任される体制で、進め方を相談できる相手がいないまま業務にあたっていました。その経験から、育成の体制がある環境で基礎を固めたいと考えるようになりました。
御社では入社後◯ヶ月の研修と、先輩社員が担当につく制度があると伺っています。まず基礎を確実に身につけたうえで、◯◯の業務で戦力になれるよう取り組みたいと考えています。
前職では月◯時間程度の時間外労働が続き、学ぶ時間を確保できない状態でした。長く働き続けるためには、業務量が管理されている環境が必要だと考えるようになりました。
御社は所定外労働時間が月平均◯時間程度と伺っており、腰を据えて◯◯のスキルを積める環境だと考えています。前職で担当した△△の経験を活かしながら、着実に成果を出せるよう取り組みます。
3つとも共通しているのは、会社の悪口で終わらせず、「だから次はこうしたい」まで書いていることです。
やりがちなNG志望動機
| NG | なぜダメか |
|---|---|
| 「御社の理念に共感しました」だけ | どの会社にも書ける。退職理由の答えになっていない |
| 「成長したいです」 | 会社は成長させる場ではなく、貢献してもらう場 |
| 「福利厚生が充実しているから」 | 条件だけだと、より良い条件があれば辞めると見られる |
| 「前職がひどかったので」 | 他責に聞こえる。次への意志がない |
| 「未経験ですが頑張ります」 | 意欲は前提。何をどう頑張るのかがない |
判定方法は簡単です。その志望動機を、別の会社の名前に差し替えても成立するなら、書き直しです。
志望動機についてよくある質問
まとめ|志望動機は「線」を引く作業
- 志望動機は退職理由とセットで読まれる
- 役割は「前回の失敗を、今回はどう避けたか」を示すこと
- まず退職理由を「次に求める条件」に翻訳する
- 若者雇用促進法により、応募者は企業に職場情報の提供を求められる
- 型は①軸 →②応募先の事実 →③だから応募した
- 3〜4文に圧縮する。詳細は聞かれてから
- 会社名を差し替えても成立する志望動機は書き直し
志望動機が書けないとき、多くの人は文章を考えようとします。でも実際に足りていないのは、応募先について調べた事実です。
調べれば書けます。そして調べることは、次でまた同じ失敗をしないための作業そのものでもあります。
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