転職先を決めてから退職するべき?実際に転職活動して感じたメリット・デメリット

転職先を決めてから退職するべき?実際に転職活動して感じたメリット・デメリット 転職

「今の仕事をもう辞めたい。でも、転職先を決めてから辞めたほうがいいのかな?」

私もここでかなり悩みました。「もう続けるのはしんどい」という気持ちと、「決めずに辞めて次が見つからなかったら」という不安の両方があったからです。結局、在職中に転職活動をして次を決めてから退職するという形を選びました。

やってみて分かったのは、「決めてから辞める」で本当に大変なのは、辞めるかどうかの判断ではなく、内定が出たあとの段取りだということです。退職を切り出す順番、引き継ぎ、有給、入社日。ここを見誤ると、せっかく決まった内定先に迷惑をかけます。

この記事では、実際に経験した立場から内定が出てから退職するまでの実務を中心に、両方のパターンの向き不向きまで整理します。

段取りが分かれば怖くありません
この記事でわかること
  • 内定が出てから退職までの、具体的なスケジュール
  • 退職を切り出す相手と順番
  • 法律上いつ辞められるのか(民法627条)
  • 引き継ぎと有給消化をどう両立させるか
  • 引き止められたときの対応

結論|基本は決めてから辞める。ただし無理はしない

先に結論です。特別な事情がなければ、転職先を決めてから退職するほうが安全です。収入が途切れず、焦って条件を妥協せずに済むからです。

決めてから辞める先に辞める
収入途切れない止まる
使える時間少ない多い
焦り出にくい貯金が減るほど強くなる
心身の回復できない休める
空白期間出ない長引くと説明が要る

ただし、仕事が原因で心身に症状が出ているなら話は別です。無理に続けた結果、転職活動そのものができなくなっては本末転倒です。

「どちらにするか」でまだ迷っている人へ 判断の材料をもっと詳しく知りたい場合は、こちらで失業保険の給付制限まで含めて解説しています。
仕事を辞める前に転職活動をするメリット|辞めてから後悔しないために知っておきたいこと

ここから先は、「決めてから辞める」を選んだ人が実際に何をするのかに絞って書きます。

やってみて分かった「決めてから辞める」のしんどさ

正直に書きます。在職中の転職活動は楽ではありませんでした。

しんどかったことやってみて有効だったこと
求人探し・書類作成・面接対策の時間がない期間を決めて集中する。だらだら続けるほうがしんどい
平日日中の面接を指定されるオンライン可・18時以降の枠を先に確認する。エージェントに調整を任せる
辞めたい会社の仕事も、ちゃんとやらないといけない応募先を絞る。本命3社に集中する
私の場合 求人を探して、面接を受けて、今の仕事も続ける。時間的にも精神的にも余裕はありませんでした。それでも、次の会社が決まったときに「これで辞めても大丈夫だ」と思えたことが何より大きかったです。

もし決まっていない状態で辞めていたら、会社を出た瞬間から次どうしようを抱えることになっていたと思います。

内定が出てから退職するまでの流れ

ここが本題です。内定が出たあと、実際にはこの順番で進みます。

やること目安
STEP1内定条件を書面で確認して承諾する1週間以内
STEP2直属の上司に退職を伝える承諾後すぐ
STEP3退職日を決めて、退職届を出す数日〜1週間
STEP4引き継ぎと有給消化を組み立てる2週間〜1ヶ月
STEP5退職、そして入社——
内定から入社まで、全体でおよそ1〜2ヶ月かかる

STEP1|条件を書面で確認してから承諾する

口頭の「だいたいこれくらい」で退職を切り出さないでください。給与・勤務地・仕事内容・入社日を書面で確認してから承諾する。ここを飛ばすと、退職後に条件が違ったときに戻る場所がありません。

STEP2|伝える相手は「直属の上司」が先

順番を間違えると、それだけで面倒になります。

  • ①直属の上司に、二人で話せる場で伝える
  • ②上司から人事へ話が通る
  • ③退職日が固まってから、同僚や取引先へ

同僚に先に話すと、上司の耳に人づてで入ります。円満に辞めたいなら、順番だけは守ったほうが得です。

STEP3|法律上は「2週間」、実務では1〜2ヶ月

ここは知っておく価値があります。

期間の定めのない雇用契約の場合、労働者はいつでも解約の申入れができ、申入れの日から2週間を経過することによって雇用契約は終了します(民法第627条)。つまり会社の同意がなくても、原則として2週間で辞められます。

期間根拠
法律上の下限2週間民法627条
就業規則の定め「1ヶ月前まで」などが多い原則としてこちらが適用される
実務の目安1〜2ヶ月引き継ぎ・有給消化を含めて
出典:民法第627条。厚生労働省・各労働局の解説をもとに作成
押さえておきたいこと 就業規則に退職の申出期間が定められている場合は、原則としてその規定が適用されます。まず就業規則を確認してください。
ただし、極端に長い申出期間(半年前など)を定めている場合は、退職の自由を過度に制限するものとして無効とされることがあります。「辞めさせない」は通りません。

実務では、内定先の入社日を決めるときに引き継ぎ1ヶ月+有給消化を見込んでおくと安全です。

STEP4|引き継ぎと有給消化は、同時に設計する

ここでつまずく人が多いところです。引き継ぎを終えてから有給を取ろうとすると、日数が足りずに捨てることになります。

先に退職日を決め、そこから逆算します。

逆算の順番
  1. 残っている有給の日数を確認する
  2. 退職日 −(有給日数)= 最終出社日 を出す
  3. 最終出社日までに引き継ぎが終わる計画を立てる
  4. 上司に「最終出社日」と「退職日」の両方を伝える

引き継ぎ資料は、口頭ではなく書いて残すのが基本です。手順・関係者の連絡先・過去のやり取りの場所。これがあると、退職後に連絡が来る回数が減ります。

STEP5|入社日を決める

内定先には、退職日が確定してから入社日を伝えます。ここで見栄を張って早い日付を答えると、引き継ぎが終わらず両方に迷惑がかかります。

「就業規則を確認したうえで、退職日は◯月◯日になります」と根拠つきで伝えると、たいてい調整してもらえます。

引き止められたときの対応

次が決まっている状態なら、この場面はかなり楽になります。

よくある引き止め考え方
「次は決まっているのか」決まっているので、そこで話が終わる
「給与を上げるから残ってほしい」今まで上げなかった理由を考える。条件だけ変えても不満の原因は残る
「後任がいないから困る」後任の手配は会社の仕事。引き継ぎを尽くせば十分
「今辞められたら損害賠償だ」退職しただけで賠償を負うことは原則ない
辞めさせてもらえないとき 退職届を受け取ってもらえない、話し合いにすらならないという場合は、一人で抱えないでください。労働基準監督署や、各都道府県の労働局にある総合労働相談コーナーに無料で相談できます。民法上、退職は労働者の権利です。

それでも先に辞めるなら、2つの数字を決めてから

心身が限界、あるいは十分な貯金があって集中したい——先に辞める選択も、条件がそろえば現実的です。ただし「辞めてから考える」ではなく「計画してから辞める」。決めておくのはこの2つです。

決めること目安
いつまでに決めるか3〜6か月
いくら必要か生活費の6か月分
この2つが出せないうちは、まだ辞めるタイミングではない

退職後は、それまで給料から天引きされていた国民健康保険料・国民年金保険料・住民税を自分で払います。特に住民税は前年の所得に対してかかるため、収入がゼロでも請求が来ます。

どちらを選ぶべきか

決めてから辞めるべき人先に辞めてもいい人
貯金に余裕がない心身が限界に近い
一人暮らしで固定費が大きい生活費6か月分の見通しがある
今の仕事を続けること自体はできる転職活動の時間が物理的に取れない
焦ると判断を誤りやすい自覚がある資格取得など、辞めないとできない準備がある

大事なのは「一般的にどちらが正解か」ではなく、自分の状況ではどちらが現実的かです。

退職の進め方についてよくある質問

Q
就業規則に「退職は1ヶ月前まで」とあります。2週間で辞められますか?
A
就業規則に定めがある場合は、原則としてその規定が適用されます。まずは就業規則どおりに進めるのが無難です。ただし極端に長い期間(半年前など)は、退職の自由を過度に制限するとして無効とされることがあります。
Q
退職を伝えるのは、メールでもいいですか?
A
最初は直属の上司に口頭で伝えるのが基本です。そのうえで退職届を書面で提出します。どうしても対面が難しい状況なら、日時が記録に残る形で伝えるほうが後々の証拠になります。
Q
有給が残っていますが、全部使えますか?
A
退職日までに消化する必要があります。退職日を先に決め、そこから有給日数を引いて最終出社日を出す、という順番で組んでください。引き継ぎを終えてから考えると、日数が足りなくなります。
Q
内定先から「すぐ来てほしい」と言われました。
A
就業規則と引き継ぎの都合を根拠に、具体的な日付で相談してください。多くの企業は在職中の転職を前提に調整します。ここで無理をして早い日付を約束すると、前職と内定先の両方に迷惑がかかります。
Q
退職を伝えたら「損害賠償を請求する」と言われました。
A
退職したこと自体で賠償責任を負うことは原則ありません。引き止めの圧力としてこうした言葉が使われることがあります。不安な場合は、労働基準監督署や各労働局の総合労働相談コーナーに無料で相談できます。

まとめ|基本は決めてから。でも段取りで決まる

この記事のまとめ
  • 特別な事情がなければ転職先を決めてから退職するほうが安全
  • 内定から入社まで、実務では1〜2ヶ月かかる
  • 条件は書面で確認してから承諾する
  • 退職を伝える順番は直属の上司 → 人事 → 同僚
  • 法律上は申入れから2週間で退職できる(民法627条)。ただし就業規則が原則優先
  • 有給は退職日から逆算して最終出社日を決める
  • 心身が限界なら先に辞めていい。ただし期限と生活費6か月分は決めておく

「辞めるか、辞めないか」だけで考えると、答えは出ません。次の仕事をどう決めて、どういう順番で辞めるところまで考える。そこまで見えていれば、退職はぐっと怖くなくなります。

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